2016年2月21日日曜日

常識知らずな「受験生」??

 どうも、三木陽平です。受験生の皆さん、題名を見て憤慨した方には深くお詫び申し上げます…。

今回の「受験生」とは実は「ロボット」のことです。先日の日本経済新聞の記事から抜粋いたしました。皆さん、「東ロボくん」をご存知でしょうか?「東ロボくん」とは国立情報学研究所が中心となって進めている人工知能プロジェクトのことです。




















そのプロジェクトとは…人工知能(AI)のソフトウェアである通称「東ロボくん」の開発により、2021年度までに、そのソフトウェアで東大入試を突破するというものです。

2011年度から開発が始まり、2015年度のセンター試験模試の偏差値は57.8。2015年度にして初めてこの受験生平均を超えたそうです。人工知能恐るべしですね…

世界史に至っては模試の偏差値66.5です。点数にすると76点だそうです。
専任の私からしても脅威ですが…安心してください。志向館予備校生のセンター世界史平均点は87点です。みんな、よく頑張った!!

さて、毎年偏差値を伸ばしている「東ロボくん」ですがいったい何の科目ができないのか――英語・国語・物理だそうです。

特に物理は、「時速40キロで走る自動車から後方に投げたボールの運動」と出題された場合、私たちは誰でも、道を走る自動車の窓からボールを外に向かって投げる光景を思い浮かべます。

しかしながら、東ロボくんは、「ボールを外に向かって投げていること」「車には重力がかかっていること」「人間が後ろを向いていること」などの、私たちが普段生活している中で蓄積されている『常識』が備わっていないのです。したがって、問題文を読む(ロボにとっては読み込むなのか?)に当たってその出題の糸そのものがつかめないそうです。

この記事の結論としては、「自動運転車の開発に重い課題を残した」と記載されていました。すなわち車の運転とは瞬時に判断するもの――絶対に事故になってしまうようなとき、自動運転車の人工知能はガードレールにぶつかるのか、歩行者にぶつかるのか、それとも自己防衛に奔るのか…『常識』のない人工知能が判断したとすると…考えるのが怖くなりますね。一方で、この『常識』を蓄積する知能を備えたとしたら、もはや人間、いやそれ以上に上手に危機回避するのではないでしょうか?

シンギュラリティという言葉が最近話題となっています。シンギュラリティとは技術的特異点、すなわち人間の脳をコンピュータが上回る瞬間です。2045年にはその時を迎えると推測されてます。

私としては、人工知能の研究には賛成ですが、そのすみわけをどこで行うかにあるかが焦点となると思います。つまり、仮に常識を蓄積できるように人工知能がなった場合――すなわち試験でもトップクラスの成績を修める優秀な人間に類似する存在となりうるわけです。当然、生命倫理に関する常識も兼ね備えてくれるとは思います。しかしながら人間を支配するということも人間に類似する存在として考えることができるようになったとき…

もしかしたらこの『常識』の壁を人工知能が超えたとき、私たち人間が人工知能に支配されるかもしれません…

人工知能は常に人間を良識的に補助する存在という『常識』を人工知能に持たせることで、人間と人工知能のすみわけを明確に行うこと――これからの開発にとって欠かせない『常識』になるのではないかと私は思います。





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